ジャンル、メーカー、人気ランキング、新着順。アダルト動画のメディアでは長く、これらの軸でしか作品が整理されてこなかった。視聴者の側は実際のところ、もう少し違う言葉で「自分の好み」を持っている。それは顔である、というのが本サイトの起点となる仮説だ。

「言葉になりきっていない好み」を可視化したい。そのために、約二千名分の女優サムネを AI 顔分析にかけ、輪郭・目元・印象の幾何学的な特徴から六つの顔系統に再分類した。たぬき、狐、猫、うさぎ、犬、リス。動物名を借りているのは便宜上のことで、各系統は単に「ある種の質感」を指している。

五問の二択

サイトの中心機能は、五問の二択による顔タイプ診断だ。二人の女優のサムネが並べられ、そのうちの一方を選ぶ。それを五回繰り返すと、選択の傾向から好みの顔系統が抽出される。所要時間はおよそ三十秒。

この設計には意図がある。「あなたはどんな顔が好きですか」と直接尋ねても、ほとんどの人は答えられない。好みは言葉ではなく、視覚反応として身体の中にある。二択を重ねることで、その視覚反応そのものを掬い取る。

編集メディアという立ち位置

販売チャネルではなく、編集メディアとして本サイトは設計されている。煽りでも、検索エンジン狙いでもなく、書店の棚のように「ふと足を止めて選び取れる場所」を目指す。アフィリエイトリンクへの誘導は、文脈の最後に置かれるものであって、文脈そのものを支配しない。

別冊「Issue B — for her」では、同じ六系統分類軸を男優に適用し、女性視聴者向けの編集を独立して提供している。彼女たちが「顔から選ぶ」という行動様式を最も強く持つことは、長く業界に無視されてきた事実だ。

これから

DMM (FANZA) のデータ取得は週次・日次の cron で更新される。顔分類は Claude Vision を経由し、新規追加された女優は順次六系統にマッピングされる。今後、ジャンル軸との掛け合わせ、レーベル・監督別の編集、特集記事の連載などを通じて、本サイトをひとつの「文化的な目録」に育てていく。

短い期間で完成するメディアではない。ただ、長く残るものを作りたい。